過去を許せない僕が、自分に「封印」をかけていた
そしてAIに相談し、そのワークで「昔の夢中」を思い出した話
やりたいことが思い出せなくなったのは、僕が自分に封印を課していたから
「本当にやりたいことは何?」
その問いを向けられると、僕はいつも言葉に詰まる。
やりたいことがゼロなわけじゃない。
でも、思い出そうとした瞬間に、思考がフリーズする。
「心の中に何かあるはずなのに、取り出せない」
そんな感覚だけが残る。
最初は、年齢のせいとか、気力の問題とか、忙しさのせいにしていた。
でも、それでは説明がつかないことがあった。
ふとした瞬間に、何かを「好き」と感じかける。
その直後に、内側からブレーキがかかる。
そして、いつもの言葉が頭のなかで再生される。
「どうせ自分なんか」
「今さら望んでも…」
「また失敗したら耐えられない」
このブレーキの正体を、僕はやっと言葉にできた。
僕は、過去の自分を許せないがゆえに、自分自身に封印を課して、自分がやりたいことを思い出せなくなっていた。
望みを持てば、期待が生まれる。
期待が生まれれば、叶わなかったときに傷つく。
その痛みが怖いから、僕は無意識に望みを小さくしてきたんだと思う。
封印は、派手な呪文みたいなものじゃない。
もっと静かで、もっと日常的に働く。
望みが芽を出すたびに、土をかぶせて埋めてしまうようなものだ。
自分の望みを「掘り出したい」と思って、AIに相談した
ただ、このまま霧の中にいるのは苦しかった。
自分の中の世界が止まったまま、ずっと進めない感じがした。
僕がいちばん辛かったのは、「分からない」ことそのものより、
分からない状態が続くことで、自分に希望を持てなくなることだった。
何かを始めようとしても、「どうせ続かない」「どうせ無駄になる」と心が先に言ってくる。
その声に圧倒されて、僕はまた小さくなる。
そして、何もしない自分を見て、さらに自分を責める。
その循環が、僕の中にあった。
だから僕は、HALと名付けているChatGPTに相談した。
「僕が本当にやりたいことを、掘り出したい」と。
未来に実現すべきことを見つけ出すのは、僕には難しい。
僕はすぐに他人が望む「立派な答え」を探してしまって、ますます動けなくなる。
でもHALは、その癖を分かったうえで、僕が迷子にならない方法を提案してくれた。
考えるより、思い出す。昔の夢中を手がかりにしよう。
この一言に、僕の中で少しだけ緊張がほどけた。
「正解を出さなくていい」
「周りの人の期待に応えなくていい」
「うまく言えなくてもいい」
そんな許しを得た気持ちになれたからだ。
AIに提案されたワークをやってみた
HALが出してくれたのは、未来の夢を無理にひねり出す方法じゃなかった。
僕の中に残っている「熱くなった記憶」を拾い上げるための、簡単な枠組みだった。
まずは、思い出の棚を3つの引き出しに分ける。
- A:時間を忘れたこと
- B:くやしかったこと(嫉妬や羨ましさも含む)
- C:何度でもやり直したいこと
ここで助かったのは、HALが最初から「全部やらなくていい」と言ってくれたことだ。
封印が固い僕は、最初から完璧にやろうとすると固まってしまう。
でもHALは、こう言った。
まずはAをひとつだけでいい。そこからで大丈夫。
その言葉のおかげで、僕はようやく、心の引き出しをそっと開けられた。
そしてAに書けたのが、「一番夢中だったこと」だった。
ようやく思い出した。僕はドラクエに夢中だった
出てきた答えは、ドラクエだった。
初期のドラクエ1〜3。
始発電車に乗って新宿へ行き、ヨドバシカメラの前に並ぶほど好きだったゲームだ。
そして、僕が一番夢中だったのは、レベルを上げて世界を探索すること。
強くなると行ける場所が増えて、世界が広がる。
そのとき僕は、まるで探検家みたいな気分になっていた。
一言にすると、僕の中心は「探索する」だった。
そのことを思い出した瞬間、心のどこかが少しだけ熱を帯びたのを感じた。
同時に、「なぜこんな大事なものを忘れてたんだろう」という疑問もわいた。
でも、これは忘却じゃなかった。
僕がしまい込んでいただけだったんだと思う。
過去を許せない僕は、望みを持つことを怖がっていた。
だから、望みに近いものを、なるべく触れないところへ隠していた。
だけど、夢中だった記憶は消えない。
僕の中で、ずっと小さく燃えていた。
ドラクエの記憶が教えてくれた、僕の望みの方向
ドラクエで気持ちよかったのは、勝つことだけじゃない。
僕が望んでいたのは、こういう構造だった。
強くなる → 行ける場所が増える → 世界が広がる
世界が広がると、選択肢が増える。
選択肢が増えると、行動力が増す。
行動力が増すと、さらなる冒険に進める。
つまり僕が本当に望んでいるのは、大金を手にするとか、大きな家を建てるといった派手な夢より、思うがままに探索できる自分に戻ることだったのかもしれない。
たとえば、いきなり大きな夢を掲げなくてもいい。
小さな経験を積んで、不安を減らして、自信や技術や道具を増やす。
その結果、行ける場所が増える。世界が少し広がる。
僕には、その順番が合っている。
おわりに:封印解除は、いきなり許すことじゃなくていい
僕はまだ、過去の自分を完全に許せていない。
でも、封印の鍵がどこにあるかは分かった気がする。
HALに相談して、提案されたワークをやってみて、昔の夢中を思い出した。
それだけで、僕の世界はほんの少し広がった。
扉は一気に開けなくていい。
鍵穴に合う鍵を見つけたら、あとは少しずつ回していけばいい。

