LINEを複数の端末で利用する方法

スマホでLINEを使っていて、「家ではタブレットで見られたら便利そう」「パソコンから長文を打ちたい」と感じつつ、「設定を間違えてデータが消えたらどうしよう…」と手を出せずにいる方は多いと思います。とくに、LINEは「アカウントの引き継ぎ」や「複数端末」の仕組みが少し分かりにくいので、不安になりやすいところです。

ただ、ポイントさえ押さえれば、メインのスマホに加えて、PCやタブレット、Androidスマホなどを「サブ端末」として安全に追加できます。この記事では、できるだけ専門用語をかみくだきながら、「LINEをサブ端末にインストールして使うまで」の流れを、やさしく整理しておきます。


はじめに:LINEの「メイン端末」と「サブ端末」とは?

まず言葉の整理から。

  • メイン端末
    最初にLINEアカウントを登録したスマホなどのことです。
    電話番号やメールアドレス、パスワードの管理、アカウント引き継ぎ、年齢確認など、大事な操作はメイン端末で行います。
  • サブ端末
    メイン端末と同じLINEアカウントを、別の端末(PCやタブレットなど)でも使うとき、その別の端末をサブ端末と呼びます。

サブ端末として使える機種のざっくり一覧

2025年現在、LINE公式ヘルプでは、次のような組み合わせが案内されています。

  • メイン端末になれるもの
    • iPhone
    • Androidスマートフォン
    • iPad
    • Androidタブレット
  • サブ端末になれるもの
    • Androidスマートフォン
    • iPad
    • Androidタブレット
    • Windows PC
    • Mac
    • Chromeブラウザ版(PC用)

※ポイント

  • iPhoneはメイン専用で、サブ端末としては使えません。
  • Androidスマホは、条件を満たせばサブ端末として追加できます(後半で解説します)。

この記事では、次のようなケースを想定して説明します。

  • スマホ(iPhone/Android)+ PCをサブ端末 にする
  • スマホ + iPad/Androidタブレットをサブ端末 にする
  • スマホ + Androidスマホをサブ端末 にする(必要な人向け)

STEP1:メイン端末(今使っているスマホ)側の準備

サブ端末をさわる前に、まずは今LINEを使っているスマホ側の設定を整えておきます。ここができていないと、QRコードを読み取ってもログインできなかったり、最悪の場合アカウントが消えてしまうリスクがあるので、少し丁寧に確認しておくのがおすすめです。

1-1. LINEアプリを最新バージョンにしておく

  1. スマホで「App Store」または「Google Playストア」を開く
  2. 「LINE」を検索
  3. 「更新」ボタンが出ていればタップしてアップデート

複数端末機能は、比較的新しいバージョンから強化されています。とくにAndroidスマホをサブ端末にする場合は、LINEアプリのバージョン15.3以上が必須とされています。

1-2. アカウント情報(メール・パスワード)を確認する

必ずしも必須ではありませんが、メールアドレスとパスワードを登録/確認しておくと、もしQRコードログインでつまずいたときに役立ちます。

  1. スマホのLINEを開く
  2. 画面右上の 歯車マーク(設定) をタップ
  3. 「アカウント」をタップ
  4. 「メールアドレス」「パスワード」の欄を確認
    • 未登録なら、このタイミングで登録しておくのがおすすめです。

1-3. 「ログイン許可」をオンにする(重要)

PCやタブレット、サブ端末からのログインを許可するスイッチです。これがオフのままだと、どんなにQRコードを読んでもログインできません。

  1. スマホのLINEで「ホーム」タブ → 右上の 設定(歯車) をタップ
  2. 「アカウント」をタップ
  3. 「ログイン許可」をオンにする

※この設定は後からオフにもできます。サブ端末の追加が終わるまでオンにしておくとスムーズです。

1-4. 念のためトーク履歴のバックアップを取っておく

複数端末の設定そのものは、正しく操作すればトークが消えるものではありません。ただ、新機能の不具合などでデータ消失が起きた事例も報告されています。念のため、メイン端末のトーク履歴はバックアップを取っておくと安心です。

  • iPhoneの場合:
    LINE → 設定 → 「トーク」 → 「トークのバックアップ」からiCloudにバックアップ
  • Androidの場合:
    LINE → 設定 → 「トーク」 → 「トークのバックアップ」からGoogleドライブにバックアップ

※サブ端末側では、トーク履歴のバックアップ操作はできません。バックアップは必ずメイン端末で行います。


STEP2:サブ端末にできるかを軽くチェックしておく

実際のインストールに入る前に、自分の環境が「どのパターン」に当てはまるかを確認しておくと、迷いにくくなります。

  • PCをサブ端末にしたい → STEP3へ
  • iPad/Androidタブレットをサブ端末にしたい → STEP4へ
  • 2台目のAndroidスマホをサブ端末にしたい → STEP5へ

※iPhoneを2台目としてサブ端末にすることは、現時点ではできません(iPhoneはメイン専用)。


STEP3:PC(Windows/Mac)にLINEを入れてサブ端末にする手順

一番ベーシックでトラブルが少ないのが、「スマホ+PC」という組み合わせです。長文のやりとりや仕事用の連絡で便利なので、まずここから慣れてみるのがおすすめです。

3-1. PC版LINEをダウンロード・インストール

  1. PCのブラウザ(Chromeなど)で「LINE ダウンロード」と検索
  2. 検索結果から LINE公式サイトのダウンロードページ を開く
  3. Windows版/Mac版のうち、自分のPCに合った方をダウンロード
  4. ダウンロードしたファイルを開いて、画面の案内に沿ってインストール

3-2. PC版LINEでQRコードログインする

PC版では、QRコードでのログインが一番簡単です。

  1. PCでLINEを起動
  2. ログイン画面が表示されたら「QRコードログイン」を選択
  3. 画面にQRコードが表示される

続いてスマホ側で操作します。

  1. メイン端末のスマホでLINEを開く
  2. 「ホーム」タブ右上の QRコードアイコン(または「友だち追加」→QRコード)をタップ
  3. PC画面に出ているQRコードをスマホで読み取る
  4. スマホ画面に「PC版LINEにログインしますか?」のような確認が出たら「ログイン」をタップ

これでPCがサブ端末として追加されます。メッセージはスマホとほぼ同時に表示されるので、どちらからでも返信できます。


STEP4:iPad・Androidタブレットをサブ端末にする手順

つぎに多いのが、「家ではタブレットでLINEを見たい」というケースです。iPadもAndroidタブレットも、基本的には「アプリを入れてログインするだけ」でサブ端末にできます。

4-1. iPadの場合

  1. iPadで「App Store」を開く
  2. 「LINE」を検索
  3. 「入手」ボタンからインストール

アプリを開くと、最初の画面で「新規登録」「ログイン」などの選択肢が出ます。

  1. 「ログイン」または「他の端末で利用していたアカウントでログイン」 を選ぶ
    • ここで 「新規登録」には絶対に進まない ようにしてください。
    • 既に使っている電話番号で新規登録すると、元のアカウントが削除されるおそれがあります。
  2. 「その他のログイン方法」→「QRコードログイン」を選択(表示される場合)
  3. メイン端末のスマホでQRコードを読み取り、確認画面で「ログイン」を許可

これで、iPadがサブ端末として同じアカウントで使えるようになります。トーク内容や友だちリストは、メイン端末とほぼ同じように表示されます。

4-2. Androidタブレットの場合

Androidタブレット向けに専用LINEアプリはなく、スマホ版LINEアプリをインストールして使う形が基本です。

  1. タブレットで「Google Playストア」を開く
  2. 「LINE」を検索してインストール
  3. アプリ起動後、最初の画面で「ログイン」を選択
    • ここでも、「新規登録」は選ばないよう注意します。
  4. 「QRコードログイン」を選び、メイン端末のスマホからQRコードを読み取る
  5. スマホ側の確認画面で「ログイン」を許可

Androidタブレットも、iPadと同様にサブ端末として利用できますが、「スマホ版LINE」と同じアプリで動いている分、仕様変更の影響を受けやすい点には注意が必要です。


STEP5:2台目のAndroidスマホをサブ端末にする(少し上級者向け)

「仕事用のAndroidスマホでも、同じLINEアカウントを見たい」といった場合に関係するのがこのパターンです。

2025年のアップデート以降、メイン端末とは別のAndroidスマホを「サブ端末」として追加できる機能が提供されています。

ただし、

  • LINEアプリのバージョン(15.3以上など)の条件がある
  • 過去には、設定ミスや古いバージョンが原因で「メイン端末のトーク履歴が消えた」事例も報告されている

といった点から、少し上級者向けだと考えておくと安心です。

5-1. Androidサブ端末側の基本的な流れ(イメージ)

  1. 2台目のAndroidスマホで「Google Playストア」を開く
  2. LINEをインストールし、最新バージョンに更新されていることを確認
  3. LINEを起動し、「ログイン」を選択(※新規登録は選ばない)
  4. 「QRコードログイン」など、サブ端末用のログイン方法を選ぶ
  5. メイン端末のスマホでQRコードを読み取り、ログインを許可
  6. 途中で「この端末をメインとして使用しますか?」のような表示が出た場合は、必ず「いいえ」 を選択する

こうすることで、メイン端末のアカウントをそのまま保ったまま、2台目を「サブ端末」として使えるようになります。

※Androidサブ端末まわりは、仕様や注意点が変わる可能性があります。実際に設定する前に、LINE公式ヘルプ(「複数端末」「サブ端末」などで検索)を一度確認しておくのがおすすめです。


補足:サブ端末で「できること」と「できないこと」

最後に、「サブ端末でどこまでできるのか」をざっくり整理しておきます。

サブ端末でできる主なこと

  • メッセージの送受信(個人トーク・グループトーク)
  • 画像・動画・ファイルの送受信
  • スタンプ・絵文字の送信(メイン端末で使っているもの)
  • 通知の受信(PC・タブレットの場合)
  • 音声通話・ビデオ通話(端末の性能による)

これらは、メイン端末とほぼ同じ感覚で使えます。

サブ端末ではできない(または制限がある)主なこと

サブ端末では、次のような「アカウントの根本に関わる操作」は行えません。

  • 電話番号・メールアドレス・パスワードなど、アカウント情報の変更
  • アカウントの引き継ぎ(機種変更時の操作)
  • 年齢確認の手続き
  • トーク履歴のバックアップ
  • 有料スタンプ・着せかえなどの購入

目安として、「お金が動く操作」「アカウントの根本をいじる操作」はメイン端末だけと覚えておくと分かりやすいと思います。


おわりに

LINEをサブ端末でも使えるようにしておくと、

  • 外ではスマホ、家ではタブレットの大きな画面
  • 長文はPCのキーボードで入力
  • メイン端末のバッテリーが切れても、サブ端末で連絡を確認

といった使い方ができ、日常のちょっとした不便がぐっと減ります。

一方で、操作を間違えるとアカウント削除やデータ消失のリスクもゼロではないため、

  • メイン端末のバックアップを取る
  • サブ端末では必ず「ログイン」を選び、「新規登録」は押さない
  • Androidスマホをサブ端末にする場合は、バージョンや公式ヘルプを確認する

といった点だけ、落ち着いて確認しておくのがおすすめです。

時間のあるときに、まずは「スマホ+PC」や「スマホ+iPad」のようなシンプルな組み合わせから試してみると、少しずつサブ端末運用に慣れていけると思います。

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